自分のやったことが、人の役に立つって、こんなにうれしいことなのかと、昨晩遅く泣けて泣けて仕方ありませんでした。
全くあったことのない、実際にお話もしたことのない方からのメール。
それは、私のコンチェルト作品をご購入下さった方からのもので、ご自身の状況、そして、私の作品に出会って、購入に至った経緯があり、なんといっても、そのお話の中には、生徒さんのために、その生徒さんを喜ばせてあげようとする先生ご自身の努力があふれていました。
それだけでも、制作者としてはぐっとくるわけですが、その生徒さんが納得するようにと、私の作品をその生徒さんに与える際の努力、段を踏んで楽譜、音源と一緒にお聞きになられたのだそうです。
最近、その生徒さんは、たまたまその先生に担当がチェンジとなられたばかりで、彼女にしてみたら、新しい先生として自分ができることは????
ピアノ歴の長い大人の生徒さん、弾いてみたいと思う大抵の曲はもうやりつくされていらして、でもピアノやオーケストラ音楽が大好きで、これからもピアノは習い続けていきたいと思って下さるキャリアのある生徒さんのようでした。お仕事が忙しかったりすると練習時間は取れないから難曲には手が出せないけれど、家で音楽をお聞きになられる時には、いろいろな作曲家のピアノ協奏曲をお聞きになられていらっしゃるとのことでした。
また、以前にその生徒さんは、エレクトーンの音を発表会でお聞きになられたことはあったようで、本物のオーケストラの音に驚いたとのこと。
そのようなことをベースに、生徒さんがご興味をお持ちいただけるものとして、ネットでピアノとエレクトーンのアンサンブルでピアノ協奏曲として検索し、私の作品に出会われたそうでした。
本格的な音で、更にレッスンや発表会でやるのにちょうどよいサイズになっていて、これなら耳の超えた生徒さんに絶対満足していただけるのではないかと思われたそうでした。早速レッスンで私の動画を視聴、聞く専門だと思っていたピアノ協奏曲を弾けるとは夢にも思わなかったそうで大変ご興味を持たれたそうでした。
ただ、やはりピアコンはピアコン! あまりに難しかったらと不安もよぎり、ピアスコアで楽譜を購入され、見て頂いたそうでした。
本物をもう少し弾きやすく、でも、本物と同じように聞こえる!
そう、私がいつも心掛けているアレンジの工夫は、その先生はもちろんのこと、生徒さんの心にも、しっかりと伝わったようで、生徒さんにもその部分が心に響いたとのことで、更に、実際にエレクトーンから参考音源をお聞き下さったそうでした。
本物のオーケストラのような豊かな音色が教室に響き渡って、感動されたとのこと、オーケストラとの共演は一生無理でも、まさかこんな体験ができるなんて! と、感激してくださったそうなのです。
20年以上、いや制作としたら30年近くになるのかもしれません。ずっと取り組んできた、コンチェルトの活動、その前の制作、エレクトーンができることは何かな?って。
今こうして病となってできることが限られてきている中に届いたメールに、どんなに嬉しかったことでしょう。
そして、私の音楽を指導者の立場から、生徒さんへ丁寧に対応して取り組むきっかけへと、その様子に胸が熱くなりました。
指導する育成の心と言いますか、マニュアルに載っているから、次のページにあったから、なんてことではない、その先生の愛情あふれる心がけが感じられて、私は、嬉しくて泣けて泣けて仕方ありませんでした。
そんな彼女の姿勢、音楽の響きや質も想像できそうで、目に見えない糸を感じました。アンサンブルって、音楽って、そういうことなのですよね。
本当にありがとうございます。